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事業計画 情報セキュリティ

1.事業名称

情報セキュリティ分野の中核的専門人材養成の新たな学習システム構築推進プロジェクト

2.職域プロジェクトの名称

情報セキュリティ分野の中核的専門人材養成推進

関係するコンソーシアムの名称(職域プロジェクトのみ記入)

IT分野産学コンソーシアム

3.分野名

IT

4.代表機関

■ 代表法人

法人名 学校法人岩崎学園
学校名 情報科学専門学校
所在地 〒221-0835
神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-17

5.産学官連携コンソーシアム又は職域プロジェクトの構成員・構成機関等

(1)構成機関

構成機関(学校・団体・機関等)の名称 役割等 都道府県名
1 学校法人岩崎学園 情報科学専門学校 統括、実証授業実施等 神奈川県
2 学校法人穴吹学園 穴吹コンピュータカレッジ カリキュラム・教材開発 香川県
3 学校法人桑園学園 札幌情報未来専門学校 評価スキーム検討 北海道
4 情報セキュリティ大学院大学 評価スキーム検討 神奈川県
5 法政大学 カリキュラム・教材開発 東京都
6 株式会社ディアイティ カリキュラム・教材開発 東京都
7 株式会社ラック 評価スキーム検討 東京都
8 特定非営利活動法人NPO情報セキュリティフォーラム 評価スキーム検討 神奈川県
9 独立行政法人情報処理推進機構 助言 東京都
10 一般社団法人全国専門学校情報教育協会 助言 東京都

(2)協力者等

氏名 所属・職名 役割等 都道府県名
渡辺 律子 (財)ハイパーネットワーク社会研究所 研究企画部長 助言 大分
渡邉 幸雄 横浜商工会議所 ジョブ・カードサポートセンター 課長 助言 神奈川県
麻野 慎哉 人材育成と教育サービス協議会(JAMOTE) 事務局次長 助言 東京都
小川 索 ニッポンクラウドワーキンググループ 運営委員 助言 東京都
小屋 晋吾 トレンドマイクロ株式会社 戦略企画室 統合政策担当部長 助言 東京都
小杉 史郎 株式会社横浜ITサポート 代表取締役社長 教材開発協力 神奈川県

6.事業の内容等

(1)事業の概要

情報セキュリティ分野の中核的専門人材養成のための1)カリキュラム・教材開発および教育の実証、2)第三者による専門的・実践的教育活動の評価スキームの検討を行う。本事業で実証する職業実践的な教育のテーマは、クラウドを安心安全かつ有効に利用するために必要なスキルを習得する「クラウド安全活用技術実践」とし、特にクラウドサービスを組織に導入する際に必要となるスキルを学ぶための教育の実証に注力する。

(2)事業の内容について (産学官連携コンソーシアム又は職域プロジェクトにおける具体的な取組内容)

IT分野産学連携コンソーシアムの方向性を踏まえ、IT分野における様々なセキュリティ脅威に対応し、グローバルな視野と実践力でIT分野の成長を支える中核的な人材の養成を目的に、職業実践的な新たな学習システムの基盤を整備するとともに、教育の質保証のための基準や評価指標・手法等を検討する。具体的には、主に以下の2つの取り組みを行う。

1)職業実践的な教育の実証

本事業では、職業実践的な教育の実証を行う。そのために、まず、専修学校や大学等のカリキュラム・教材をベースとして、専修学校等の学生だけではなく社会人等も個人の学習成果が社会で生かせるよう、キャリア・アップに必要な知識・能力を体系的に学習ユニットとして提供可能なカリキュラム・教材を開発する。本事業で実証する教育のテーマとしては、今後ますます利用が拡大するであろうクラウドサービスを、安心安全かつ有効に利用するために必要なスキルやノウハウを習得する「クラウド安全活用技術実践」とする。想定する職種としては、セキュリティコンサルタントやセキュリティアーキテクト(キャリア段位制度におけるレベル3~4程度を想定)とし、ユーザにクラウドサービスを導入支援するコンサルタントやユーザ企業のIT部門担当者にあたる人材の育成を目指す。職業実践的な教育とするために、実際の企業においてクラウドサービスを導入する状況を想定した実習を盛り込んだ内容のカリキュラム・教材を開発する。そのために、本プロジェクトに参画する企業と連携し、実際の企業において想定されるシステム更改の状況や、クラウドサービスを導入する際に企業が導入担当者に求めるスキルを提示していただいた上で実習課題を作成する。
教育の実証にあたっては、前述の「クラウド安全活用技術実践」をテーマとして1コマ90分を計15コマ実施するカリキュラムを作成した上で、本学の学生40名程度を対象とした実証授業を実施する。そして、実証授業を受講した学生に対して、授業の満足度等に関するアンケートを実施するとともに、連携する企業や専修学校には、授業の視察やアンケート結果等を通して職業実践的な学習システムが実現できているかについて現場の視点で評価していただく。また、学生には実証授業を受講後に関連する検定試験を受験してもらい、受講後のスキルレベルを既存の評価システムで評価する。
さらには、本事業で実証する教育がリカレント教育にも適用できる内容となっているかを検証するために、開発したカリキュラム・教材の一部のユニットを利用して2時間程度の社会人向けセミナーを開催し、受講者に対して教育内容の活用・導入の意向等に関するアンケートを実施する。

2)第三者による専門的・実践的教育活動の評価スキームの検討

情報セキュリティ分野における職業実践的な教育の質の保証・向上に資する取組を推進するために、第三者による職業実践的な教育活動の評価スキームの検討を次のとおり行う。

a)教育活動全般に関する評価スキームの検討
教職員の資質向上や学習サービスの質保証等を含めた教育活動全般に関する評価システムとしては、ISO29990の基本的要求事項をベースとして、学習サービスの監査のための評価項目等を整備する方針とする。

b)本事業で開発する実践的教育に対する評価スキームの検討
上記1)で述べたとおり、本事業ではクラウドサービスを組織に導入する際に必要となるスキルを習得する内容のカリキュラム・教材を開発し、実証授業を実施する計画であるが、その内容が職業実践的な内容となっているかを評価するための基準・指標を開発する必要がある。そのために、評価スキームを検討するワーキンググループをカリキュラム・教材の開発とは独立して形成して評価指標等を検討するとともに、本事業で開発したカリキュラムに基づく実証授業の視察を行い、客観的で妥当性のある評価指標を開発するよう配慮する。評価スキームの検討にあたっては、学習者が習得したスキルを共通のものさしで客観的に評価できるように、キャリア段位制度との連携を考慮し、各レベルの特徴や求められる能力の基準を定義する。その上で、ITスキル標準や資格試験とのマッピングも行い、既存の評価システムとの関係性を明確化する方針とする。
また、職業実践的な教育活動となっているか、あるいはリカレント教育として適用できる教育活動となっているかの評価スキームを構築するために、企業と連携して企業が求めるスキルを明らかにした上で、そのスキルを習得することを到達目標として設定し、達成度を評価できる指標・手法の開発を目指す。さらには、ジョブ・カード制度との連携も考慮し、育成する人材を適切な就業に結びつけるための取り組みや評価活動についての検討も行う方針である。ジョブ・カード制度につながる仕組みとするために、社会人等の修得度評価において今後の課題や能力開発の目標が明確になるよう考慮する必要がある。

(3)事業の実施意義や必要性について

① 当該分野における人材需要等の状況、それを踏まえた事業の実施意義

昨今、情報セキュリティに関する脅威は、多様化・高度化しており、これに対応するための人材の育成の必要性が指摘されている。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が2012年4月に公表した「情報セキュリティ人材の育成に関する基礎調査」によると、国内の従業員100人以上の企業において情報セキュリティに従事する技術者は約23万人、不足人材数は約2.2万人と推計され、既に従事する約23万人中、必要なスキルを満たしていると考えられる人材は9万人強であり、残りの14万人あまりの人材に対しては更に何らかの教育やトレーニングを行う必要があると考えられるという結果が示されている。

一方で、多くの大学や専修学校などにおいては、教育内容が情報セキュリティの入門的内容にとどまることから、現場からの「実践的なスキル」への期待に応えるための学習システムになっているとはいえない状況にある。また、情報セキュリティ分野における人材には、IT技術力(プログラミン・システム開発・セキュリティ知識)が基礎力として求められており、すなわち、IT分野の企業でのエントリレベル(就業レベル)の技術力を基礎とした上で、セキュリティ業務の経験や実践的なスキルを有することが求められているといえる。したがって、専修学校や大学などにおける情報系学科等において、「情報セキュリティに関する実践的な教育を行う」ことや、IT系企業等で就業している社会人に対して「セキュリティ業務に関する実践的なスキルを習得するための学習機会を提供する」ことが必要であると考える。

本事業において、専修学校等の教育プログラムを活用して情報セキュリティ分野における職業実践的な新たな学習システムを構築することを目指す取り組みを行うことにより、今後ますます成長するであろう情報セキュリティ分野での人材育成や情報セキュリティ分野への人材シフトに資する内容とし、これにより我が国の情報セキュリティ人材不足を解消し、企業の競争力を高め、労働の付加価値向上へつなげる取り組みとなることを目指す。

② 上記(2)の取組が求められている状況、本事業により推進する必要性

コンピューティングリソースを「所有する時代」から「利用する時代」へと言われ、クラウドサービスの利用により様々なコストメリットが得られるため、中小企業などの経営資源の限られた組織においても需要が拡大していくと考えられる。その一方で、自社のどのような情報やシステムをどのようなプロセスを経てクラウドへ移行することで安全かつ有効に利用できるのかといった知識やノウハウを備えた人材が不足しており、導入の妨げとなっていたり、あるいは導入したとしても導入後に発生したトラブルに十分に対処できなかったりといったリスクを抱えている状況にあるといえる。このことは、調査会社のIDC Japanが2010年6月に発表した「国内クラウドサービス市場ユーザー動向調査」において、パブリック・クラウドサービスの利用阻害要因として「セキュリティへの不安」を挙げる企業が54.6%と最も多い結果となっていることからも伺い知ることができる。

そこで、本プロジェクトでは、情報セキュリティ分野の中でも特にクラウドサービスの安心安全かつ有効な利用を促進させるための取組を行い、組織がクラウドサービスを導入する際に検討すべき事項や検討する際に必要となるスキルを学ぶための教育の実証に注力する。これにより、中小企業などの経営資源の限られた組織においても、クラウドサービスを正しく安全に導入・利用し、IT利活用の効果を経営に最大限に活かすことができれば、我が国の企業の競争力が高まり、グローバル化する国際社会において我が国が持続的な発展を遂げるための重要な要因になると考える。

そのためには、本事業にて中核的人材養成のための新たな学習システムの基盤を構築するとともに、実践キャリア・アップ戦略の動向を捉えながら、情報セキュリティ分野においても実践的スキルを客観的な共通のものさしで評価できるようキャリア段位の構築を目指し、個々人が自らの職業能力の向上を目指すことができる社会の実現に資する取組を推進する必要がある。

(4)事業の実施計画について (連携体制、工程、普及方策、期待される活動指標(アウトプット)・成果目標及び成果実績(アウトカム)等)

1)連携体制

本プロジェクトは、専門学校3校、大学2校、企業2社、関連団体3団体の計10名で組織し、情報セキュリティ分野の中核的専門人材養成のための教育の実証や専門的・実践的教育活動の評価スキームの検討を行う。
本プロジェクト内に、カリキュラム・教材開発を行うワーキンググループ(教材開発WG)と専門的・実践的教育活動の評価スキームの検討や実証授業の評価を行うワーキンググループ(評価スキーム検討WG)を設ける。また、全体方針の決定やこれら2つのワーキンググループの取り組みに対する助言等を行う全体委員会を設置し、プロジェクトの適切な推進を図る。

2)工程およびスケジュール
内容 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
全体委員会   全体方針決定     WG 進¥抄確認・助言       事業評価 3回
教育開発WG   方針決定 カリキュラム提示    新規教材提示   課題検討 成果物確認   5回
評価スキーム検討WG   方針決定   評価指標案提示   実証授業視察報告   成果物確認   4回
実証授業         視察   視察   視察     3回(視察)   
実証授業実施(1コマ90分を15コマ)
社会人向けセミナー               (2H程度)   1回
成果報告会                 (発表時間 1H程度) 1回
3)普及方策

本事業の成果は、一般社団法人全国専門学校情報教育協会の協力を得てIT分野の職域プロジェクト合同の成果報告会を専修学校フォーラムにおいて実施し、その普及を図る。また、事業の成果をより多くの人に活用いただくため、IT分野産学連携コンソーシアムの作成するホームページに取組みの進捗、成果を公開し、その普及を推進する。さらに、成果物は、一般社団法人全国専門学校情報教育協会に加盟する専門学校88校に配布するとともに、本事業の取り組みについてのホームページを本学にて開設しWeb上で公開する。
また、本プロジェクト終了後は、成果物の普及・活用の促進を図りつつ、内容のブラッシュアップを行っていけるよう体制を整備し、継続的な検討を行う。

4)期待される活動指標

本事業の活動指標は、職業実践的な教育の実証のために開発するカリキュラム・教材や教育活動に対する評価スキームの検討結果、また、これらを生み出す過程で発生する中間成果物等とする。具体的には以下の通り。

a)職業実践的な教育の実証
・「クラウド安全活用技術実践」全体カリキュラム(1コマ90分を15コマ分)
・各コマごとの講義概要や学習目標について記載した講義概要シート(1コマ90分を15コマ分)
・「クラウド安全活用技術実践」の実証にあたって新規開発する教材(1コマ90分を8コマ分程度)
・1コマ90分×15コマ分の実証授業(受講者40名程度)
・実証授業の担当講師による実施報告書(15コマ分)
・実証授業受講者に対するアンケート結果(15コマ分に対して1回実施)
・実証授業受講者の検定試験受験結果(受講者40名程度が1回受験)
・社会人向けセミナー受講者に対するアンケート結果(1回分)

b)第三者による専門的・実践的教育活動の評価スキームの検討
・実践的教育活動の評価スキーム検討結果
・実証授業の視察と報告書(1コマ90分の授業を3回分)
・カリキュラム・教材・実証授業に関する全体評価(最終レポートとして1回分)

5)成果目標及び成果実績

本事業の目標は、産学が連携して産業界のニーズに応じた職業実践的な人材として「組織にクラウド・サービスを導入する際に導入支援するコンサルタントやユーザ企業のIT部門担当者にあたる人材」を養成するための学習システムの基盤を構築することである。これにより、中小企業などの経営資源の限られた組織においても、クラウドサービスの導入が促進され、クラウド市場の活性化、IT利活用による国内の企業の競争力の向上につながることを目指すものである。そのために、本事業では、「クラウド安全活用技術実践」というテーマでカリキュラム・教材を開発し実践的教育を実証するとともに、専門的・実践的教育活動の評価スキームを検討する。
成果実績としては、本事業で開発するカリキュラム・教材の一部を使用した社会人向けセミナーの受講者に対するアンケートで7割以上の活用・導入検討の回答を得ること、また、本学で実施する実証授業において、学生から5段階中3.5以上の満足度の評価を得ることを目標とする。
また、本事業の成果の普及・活用を促進させ、前述の目標に向けた取り組みを継続的に実施していけるよう、本事業の参画メンバーに加えて、新たな専修学校、企業の参画を検討・打診し、体制の維持・拡大を図る。

(5)事業終了後の方針について(継続性、発展性 等)

1)職業実践的な教育の実証

本事業では、「クラウド安全活用技術実践」のカリキュラム・教材を開発し、新規で開発した教材の一部を実際に授業やセミナーで活用して評価を行う方針である。事業終了後は、評価した結果をもとにさらなる改善に向けた取り組みを行っていくと同時に、新規で開発した教材を授業で活用する範囲を広げ、さらなる実証を行っていく方針である。また、新たなテーマでの教材の開発を検討し、複数のテーマをまたいだ状態でのモジュール化したカリキュラムの積み上げ方式についての検討を推進する。

2)第三者による専門的・実践的教育活動の評価スキーム

本事業で検討した専門的・実践的教育活動の評価スキームの実証を専修学校の学生を対象とした授業や社会人向けのセミナーを通じて行い、評価、改善を行っていく方針である。また、本事業で検討した評価スキームについて、カリキュラム・教材のテーマに依存せず適用できる共通部分(例えば、IT技術力に対する評価指標等)と、テーマに依存する個別部分(例えば、クラウドサービス導入スキルに対する評価指標等)を明確にし、仮に個別部分が存在した場合は、他のテーマ(例えば、Webセキュリティ等)を想定して評価スキームを検討していく必要がある。

3)推進体制

本事業の参画メンバーに加えて、新たな専修学校、企業等の参画を検討・打診し、体制の維持・拡大を図る。これにより、上記1)、2)で述べた取り組みを行い、新たな学習システムを構築する活動を継続的に推進していける体制の整備につなげる方針である。

成果物