ブリッジSE育成|IT

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事業計画 ブリッジSE育成

1.事業名称

ブリッジSEの中核的専門人材養成のための実践的カリキュラムの構築推進プロジェクト

2.職域プロジェクトの名称

ブリッジSE養成のための実践的カリキュラムの構築プロジェクト

関係するコンソーシアムの名称(職域プロジェクトのみ記入)

IT分野産学連携コンソーシアム

3.分野名

IT

4.代表機関

■ 代表法人

法人名 学校法人 浦山学園
学校名 富山情報ビジネス専門学校
所在地 939-0341
富山県射水市三ケ613

5.産学官連携コンソーシアム又は職域プロジェクトの構成員・構成機関等

(1)構成機関

構成機関(学校・団体・機関等)の名称役割等都道府県名
1 学校法人浦山学園 富山情報ビジネス専門学校 統括 富山県
2 学校法人有坂中央学園 中央情報経理専門学校高崎校 統括 群馬県
3 学校法人宮崎総合学院 宮崎情報ビジネス専門学校 統括 宮崎県
4 学校法人KBC学園 国際電子ビジネス専門学校 統括 沖縄県
5 社団法人 富山県情報産業協会 統括・助言 富山県
6 富山県立大学   富山県
7 金沢工業大学   石川県
8 神戸情報大学院大学   東京都
9 富山高等専門学校   富山県
10 株式会社日立ソリューションズ   石川県
11 株式会社ダイアレクティック   富山県
12 株式会社ユーコム   富山県
13 e-Consulting   東京都
14 有限会社ザ・ライスマウンド   東京都

(2)協力者等

氏名所属・職名役割等都道府県名
戸辺 義人 青山学院大学 理工学部
情報テクノロジー学科 教授
助言 東京都
岩田 秀行 日本電信電話株式会社
研究企画部門 プロデュース担当
グローバルR&D・標準化 担当部長
一般社団法人 情報通信技術委員会
担当部長(普及推進)
助言 東京都
網野 幾夫 独立行政法人情報処理推進機構
ITスキル標準センター センター長
助言 東京都
西嶋 昭佳 一般社団法人情報サービス産業協会
グローバルビジネス部会 部会長
助言 東京都
豊田  崇 一般社団法人コンピュータソフトウェア協会
国際委員会 委員長
助言 東京都

6.事業の内容等

(1)事業の概要

IT分野における国際的システム開発(オフショア開発)で活躍することができるブリッジSEの育成を行う。ブリッジSEとはオフショア開発において、言葉や文化の違いから発生する溝を埋めて、システム開発を推進するシステムエンジニアのことである。更には発展するアジア市場におけるシステム開発に対応可能な、多様性のあるブリッジSEを育成する。そのために必要なスキルとレベルの設定、カリキュラム、教材の構築を行う。

(2)事業の内容について (職域プロジェクトにおける具体的な取組内容)

IT分野産学連携コンソーシアムで検討した方向性を踏まえ、国際的に活躍できる人材の養成を目的として、ブリッジSEを育成するために必要となるスキルとレベルの明確化と実践的なカリキュラムを構築する。

そのため、IT分野においてシステムエンジニアの教育を実施している全国の専門学校、大学等の教育機関と既にオフショア開発を成功させている大手IT企業、オフショア開発を実施したいと考えている中小IT企業及びIT業界団体等との連携により、オフショア開発の現状、ブリッジSE育成の状況の調査研究を行い、職業実践的な教育の質の向上・保証に資する取組、社会人等の実践的な職業能力を育成する効果的な学習体系を構築する。

ブリッジSEはシステムエンジニアの一形態であり、通常のシステムエンジニアが国内システム開発にのみ対応しているのに対して、ブリッジSEはオフショア開発に対応している。そのためブリッジSEは国内開発のみ対応しているシステムエンジニアに海外でのシステム開発能力及びそれらを統合管理する能力を追加した存在と定義することができる。国内開発に対応したシステムエンジニアについては、ITSSのアプリケーションエンジニアにレベル、求められるスキル、必要な研修ロードマップが定義されている。しかしブリッジSEはITSSに定義されておらず、レベル、スキル、研修ロードマップが未確定の状況である。

現状ではブリッジSE育成は国内での開発経験のあるシステムエンジニアが、オフショア開発の経験を積むことにより行われている。当然、経験不足からの失敗も多く、体力のある大手IT企業ではブリッジSEを育成することは可能であるが、体力の弱い中小IT企業では失敗によるリスクが大きいため育成することができていない。しかしオフショア開発の増加、アジア市場の取込みを行うためには、大手、中小にかかわらずブリッジSEの育成は必要であり、体系的なブリッジSE教育を早急に整備する必要がある。

育成計画としては、専門学校で行われているシステムエンジニア教育にブリッジSEに必要な研修ロードマップを追加する。具体的には、IT業界における実質的にキャリア段位制度として機能しているITSSのアプリケーションエンジニアと同様にブリッジSEとしてのレベルをレベル3から6の4段階で明確にする。レベル1から2は全職種共通となっており、アプリケーションエンジニア独自のレベル付けは行われていない。四年制専門学校において、ITSSレベル2に達した学生に対して、ブリッジSEのレベル3を達成する教育を実施する。レベル4以上の人材育成については、実務経験が必要であるため、現役のシステムエンジニアに対して単位制ユニット積上げ式による教育を実施することにより行う。

各レベルでのスキル熟練度は下表のとおりである。

レベルスキル熟練度
6 ピーク時の要員数50人以上のオフショア開発において、開発チーム責任者として、業務分析、技術的問題解決、アプリケーションデザイン、システム開発、プロジェクト推進、顧客交渉、チーム内調整を実施することができる。
5 ピーク時の要員数10人以上50人未満のオフショア開発において、開発チーム責任者として、業務分析、技術的問題解決、アプリケーションデザイン、システム開発、プロジェクト推進、顧客交渉、チーム内調整を実施することができる。
4 ピーク時の要員数3人以上のオフショア開発において、開発リーダーとして、業務分析、技術的問題解決、アプリケーションデザイン、システム開発、プロジェクト推進、チーム内調整を実施することができる。
3 オフショア開発において、開発チームメンバーとして、業務分析、技術的問題解決、アプリケーションデザイン、システム開発、プロジェクト推進、チーム内コミュニケーションを実施することができる。

ブリッジSEの育成カリキュラムとしては、①語学力、②専門知識力、③異文化適応能力が必要である。語学力については、海外進出のきっかけとなりうるシステム開発現場に特化した英会話能力習得から、マネジメント対応能力取得までのプログラムを開発する。専門知識力については、国際基準に基づいた開発環境、業務知識、プロジェクト管理能力の習得が可能なカリキュラムを開発する。異文化適応能力については、自国文化の理解を基礎として、①語学力で身に付けた英語を利用して、外国人と対等に渡り合える自己発信力、アジア各国の背景に起因する課題対応能力を習得する。そして国内外において外国人との模擬システム開発を行うことにより、実践的な異文化適応能力の習得が可能なプログラムを開発する。

平成24年度は四年制専門学校を対象とした、レベル3ブリッジSEを育成するカリキュラムを構築する。またITSSレベル2に達している学生を対象とした、PBL(Project Based Learning)形式による実践的なオフショア開発演習教材を作成する。本演習を通して、レベル3ブリッジSEとしてのスキルを身につけさせる。

本事業の実証として、オフショア演習を受講した学生が外国人を交えたシステム開発プロジェクトを実施し、開発チームメンバーとして、業務分析力、技術的問題解決力、アプリケーションデザイン力、システム開発力、プロジェクト推進力、チーム内コミュニケーション力が相応しいレベルに達しているかを検証する。

(3)事業の実施意義や必要性について

① 当該分野における人材需要等の状況、それを踏まえた事業の実施意義

本事業が対象とするブリッジSEの活躍の場であるオフショア開発は、「IT人材白書2011」によると、2009年度の32.1%から2010年度に58.8%へと多くのIT企業が増加を見込んいる。更に2011年度以降のオフショア開発の将来展望に対しては、オフショア開発の実績のあるIT企業の71.1%が「現在よりも拡大したい」と回答している。オフショア開発においては90%の企業がブリッジSEを活用しており、またブリッジSEの役割が「要求・指示の伝達」から「仕様確定」や「設計」などのより上流工程を担当するようになっているなど、ブリッジSEの能力がオフショア開発の成否に大きな影響を与えてきている。

わが国の情報サービス産業を取り巻く市場環境を見ると、国内市場成長の限界と国内ユーザー企業のグローバル化の推進、アジアなどの成長センターの活力を取り込みなど、情報サービス産業の持続的成長に向けてブリッジSEを含む人材のグローバル化が必要不可欠になりつつある。しかしブリッジSEに必要なスキルやレベルは体系化されておらず、企業においては社員の経験や経験者の中途採用に頼っている。教育界においてもブリッジSEを育成する教育は実施されていない。このような状況に対応するため、本事業でブリッジSE育成のカリキュラムを作成することにより、今後、拡大していく国際的なシステム開発に対応可能な人材を輩出することができる。

② 上記(2)の取組が求められている状況、本事業により推進する必要性

国内IT企業の主要事業は過去3年間「システム受託開発」が1位となっている。そのためブリッジSEの育成カリキュラムは「システム受託開発」で中心的役割を担うアプリケーションエンジニアの業務に付加することが、日本の人材構造からも最適と考えれる。更に日本企業が海外進出した際の現地システム開発を行う場合に、国際対応教育しているブリッジSEが活躍することが期待され、「新成長戦略」における「アジア経済戦略」で掲げているアジアの成長を取り込むことも期待することができる。

またITSSにブリッジSEに関する基準を追加することは、現在IT業界の多くの企業で活用されており、実質「キャリア段位制度」として活用されているITSSを、より多くの企業で採用することを促進するとともに、海外企業とも共用することができる基準となることが期待される。

(4)事業の実施計画について (連携体制、工程、普及方策、期待される活動指標(アウトプット)・成果目標及び成果実績(アウトカム)等)

連携体制

工程およびスケジュール
内容7月8月9月10月11月12月1月2月3月
実施委員会               2回
調査分科会              
開発分科会            
評価分科会               3回
調査    
 
         
開発    
 
     
実証評価            
 
   
成果報告会                 1回
普及方策

事業の成果は、全国専門学校情報教育協会の協力のもと専門学校関係者を対象に成果報告会を行い、その普及を図る。成果物は、全国のIT関連分野専門学校約500校に配布する。

本事業の取組みについてホームページをWeb上で公開し、その普及を図る。また、本プロジェクト終了後は、本事業の成果を活用し、継続的に検討するための体制整備行い、普及・活用を推進する。

期待される活動指標

(1)調査
・企業アンケート
・教育機関アンケート

(2)指標・カリキュラム
・ブリッジSEのスキルとレベルをまとめた指標
・ブリッジSEを育成するためのカリキュラム体系
・レベル3ブリッジSE育成するための教材

(3)評価
・作成した教材の評価

成果目標及び成果実績

・レベル3ブリッジSEとしてのスキル熟練度達成度合い(目標80%)

(5)事業終了後の方針について(継続性、発展性 等)

平成25年度には、開発した教材の見直しを行うとともに、現役のシステムエンジニアを対象としたリーダーレベル(レベル4)のブリッジSEを育成するための教育教材を開発する。また現役のシステムエンジニアが容易に受講できるように、インターネットを利用したe-learningシステムを構築する。

並行して教育機関、企業、業界団体によるブリッジSE学会を設立し、継続的な情報交換を行うことによりブリッジSEとしてのキャリアパスを確立すると共に、ブリッジSE育成教材に対する検証、見直し、最新状況への更新によるPDCAサイクル体制を確立する。また学校から企業への流れ(就職)、企業から教育機関への流れ(生涯教育)が循環し、スパイラル状に業界が発展する仕組みの構築を目指す。

更にアジアのIT技術者を対象とした国際的なシステム開発を行うことができるシステムエンジニアを育成する目的を持つアジアSE育成センターの設立を目指す。

成果物