トレーナー|医療・福祉・健康 健康

事業計画 トレーナー

1.事業名称

中核的スポーツ専門人材の能力評価・育成に係る調査研究と実証

2.職域プロジェクトの名称

スポーツ専門人材能力評価検証プロジェクト

関係するコンソーシアムの名称(職域プロジェクトのみ記入)

スポーツ専門人材養成コンソーシアム

3.分野名

医療・福祉・健康

4.代表機関

■ 代表法人

法人名 学校法人滋慶学園
学校名 東京スポーツ・レクリエーション専門学校
所在地 〒134-0088
東京都江戸川区西葛西7-13-12

5.産学官連携コンソーシアム又は職域プロジェクトの構成員・構成機関等

(1)構成機関

構成機関(学校・団体・機関等)の名称役割等都道府県名
1東京スポーツ・レクリエーション専門学校代表、取りまとめ東京
2東京メディカルスポーツ専門学校実施取り纏め東京
3大阪社会体育専門学校基準実証担当大阪
4大阪ハイテクノロジー専門学校基準実証担当大阪
5東京福祉専門学校基準実証担当東京
6北海道ハイテクノロジー専門学校基準実証担当北海道
7東京都専修学校各種学校協会総合評価担当東京
8私立専門学校等評価研究機構総合評価担当東京
9日本フィットネス協会基準実証担当東京
10株式会社ルネサンス基準実証担当東京

(2)協力者等

氏名所属・職名役割等都道府県名
山本 晃永Y’sアスリートサポートクラブ助言・実施協力東京都
鈴木 岳R-BODYプロジェクト助言・実施協力東京都
高平 敦club-TSR助言・実施協力東京都

(3) 産学官連携コンソーシアムの下部組織 (設置は任意。職域プロジェクトの場合は記入不要)

名称(基準実証分科会)
氏名所属・職名役割等都道府県名
関口 正雄東京スポーツ・レクリエーション専門学校取り纏め東京
塩野 寛北海道ハイテクノロジー専門学校 学校長実施北海道
坂岡 與夫大阪社会体育専門学校 本部長実施大阪
近藤 雅臣大阪ハイテクノロジー専門学校 学校長実施大阪
結城 健二東京福祉専門学校実施東京
伊藤 尚司東京メディカル・スポーツ専門学校実施東京
名称(プロジェクト総合評価分科会)
有我 明則東京都専修学校各種学校協会 事務局長取り纏め東京
菊 幸一筑波大学大学院総合評価東京
妻木 充法東京メディカルスポーツ専門学校総合評価東京

6.事業の内容等

(1)事業の概要

平成23年度の文部科学省委託事業「成長分野等における中核的専門人材養成の戦略的推進事業」において、スポーツ専門人材養成コンソーシアム(代表機関 東京スポーツ・レクリエーション専門学校)は、スポーツ専門人材の「職業能力評価基準」を開発した。
本プロジェクトでは、この「職業能力評価基準」を活用し、スポーツトレーナーの能力レベルの現状やキャリアプランなどの活動実態に関する調査研究を行う。また、スポーツクラブと教育機関が一体となって「職業能力評価基準」をスポーツの現場に適用し、その内容の有効性や妥当性について実証する。更に、スポーツトレーナーの職域拡大に向けた検証を実施する。
上記の取り組みを踏まえ、スポーツ分野における職業教育の高度化や充実化を目的に、学習ユニット積み上げ方式による単位制の教育システムについて、東京スポーツ・レクリエーション専門学校及び東京メディカル・スポーツ専門学校の卒業生に対するアドバンスコースのカリキュラムとして検討する。

(2)事業の内容について (産学官連携コンソーシアム又は職域プロジェクトにおける具体的な取組内容)

スポーツ専門人材養成コンソーシアムは、平成23年度の文部科学省委託事業「成長分野等における中核的専門人材養成の戦略的推進事業」で、健康サービス分野におけるスポーツ専門人材の職業能力評価基準に係る取り組みを行った。具体的には、スポーツ専門人材を「各スポーツ現場で共通的に活躍するスポーツトレーナー」「総合型地域スポーツ施設で必要とされる人材」「障害者スポーツの支援人材」の3つに類型化し、それぞれについての現状調査を行い、その結果を踏まえる形でスポーツ専門人材の「職業能力評価基準」(以下、平成23年度版職業能力評価基準)を開発した。
平成24年度は、昨年度の取り組み成果をベースとして、次に示す活動を展開する。

(1)スポーツトレーナーの活動実態に関する調査研究
(2)スポーツトレーナーの職域拡大に関する検証
(3)平成23年度版職業能力評価基準の実験検証
(4)実践的な職業教育の実現に向けた「単位制」の検討

以下、各活動内容について説明する。

(1) スポーツトレーナーの活動実態に関する調査研究

平成23年度版職業能力評価基準を活用して、スポーツトレーナーの活動実態を評価する。これにより、スポーツトレーナーの職業能力やキャリアなどの現状を把握する。
ここで対象とするのは「スポーツトレーナー&医療系有資格者」と「AT有資格者を中心とするスポーツトレーナー」とする。

○対象1スポーツトレーナー&医療系有資格者

柔道整復師や鍼灸師など医療系の資格を保有するスポーツトレーナーを対象とする。この対象者は「接骨院、鍼灸院などに帰属し(生計の主を置く)、スポーツトレーナーとしてスポーツ競技者をサポートする専門人材」、及び「接骨院、鍼灸院などに帰属するが、スポーツトレーナーとしてスポーツ競技者をサポートする活動が主である専門人材」である。更に、担当するスポーツ競技ごとに分けて活動実態を評価する。

○評価・調査内容

平成23年度版職業能力評価基準に従って対象者の職業能力を評価し、各対象者がどのレベルにあるのかを把握・検証する。併せて、これまでのキャリアや今度のキャリア(将来設計)、キャリアアップで必要なスキル・環境などについても調査を実施する。

1)職業能力の評価
2)これまでのキャリア
3)今後のキャリア計画
4)キャリアアップのために必要なことがらなど

1)の職業能力評価及び4)のキャリアアップに必要なことがらに関しては、接骨院・鍼灸院の経営者と競技チームの責任者にも問うていく。

○対象2AT(アスレティックトレーナー)有資格者を中心とするスポーツトレーナー

競技スポーツチームや団体に帰属しているスポーツトレーナー、フリーのスポーツトレーナーで、主にAT有資格者のスポーツトレーナーを対象とする。

○評価・調査内容

平成23年度版職業能力評価基準に従って対象者の職業能力を評価し、各対象者がどのレベルにあるのかを把握・検証する。併せて、これまでのキャリアや今度のキャリア(将来設計)、キャリアアップで必要なスキル・環境などについても調査を実施する。

1)職業能力の評価
2)これまでのキャリア
3)今後のキャリア計画
4)キャリアアップのために必要なことがらなど

1)の職業能力評価及び4)のキャリアアップに必要なことがらに関しては、競技チームの責任者にも問うていく。

(2)スポーツトレーナーの職域拡大に関する検証

今後、スポーツトレーナーが活躍する場は競技スポーツのみならず、高齢者や児童・生徒、一般まで広がっていくことが見込まれている。
そこで、一定期間、スポーツトレーナーを以下に記す各施設などに派遣し、スポーツトレーナーの職域の拡大に関する検証を行う。ここでは需要者の視点や医学的視点からの検証も検討する。

○高齢者スポーツ領域
1)スポーツクラブ
2)福祉スポーツ

○幼児教育領域
1)幼稚園
2)保育所
3)子どもスポーツ業界

○学校スポーツ・青少年スポーツ領域
1)学校のクラブチーム
2)独立した青少年スポーツチーム

○総合型地域スポーツ施設

○障害者スポーツ

(3)平成23年度版職業能力評価基準の実験検証

スポーツクラブとスポーツ専門人材育成機関が一体となって、平成23年度版職業能力評価基準の実証検証を行う。
実証検証の場となるスポーツクラブは、以下の2施設とする。

1)Club-TSR
2)R-body

Club-TSRは東京スポーツ・レクリエーション専門学校(TSR)の学生と教員が一体となって運営している日本初の総合型地域スポーツクラブである。
ここでは、スタジオプログラムやトレーニングなどが実施されており、地域スポーツの振興を図ると同時に、学生がスタッフとして実務経験を積むことで、実践力や自立協働力などの育成が進められている。
一方、R-bodyはスポーツ・健康施設の運営やコンサルティングを主な業務としている会社で、トレーナーを育成するR-bodyアカデミーも開設している。
スポーツ施設の現場に平成23年度版職業能力評価基準を実際に適用し、スポーツ施設の視点と教育機関の視点の双方から、評価基準の項目や内容の有効性、妥当性などを総合的に検証する。更に、検証結果に応じて平成23年度版職業能力評価基準の見直し、改善を図り、平成24年度版職業能力評価基準を策定する。

(4)実践的な職業教育の実現に向けた「単位制」の検討

スポーツ専門人材の育成では、社会人等を対象とする職業教育も重要な課題となる。例えば、正規課程を構成する学習内容を「学習ユニット」として組み立て直し、「学習ユニット」単位で教育を提供する方法などが有効なアプローチと考えられる。
本プロジェクトで開発・検証する「職業能力評価基準」は、この「学習ユニット」の学習達成度を測る評価指標としても活用できるものである。
この基準は、既存の教育リソース(カリキュラムや教材など)との連動性が高いので、既存リソースをユニット化し、評価指標として「職業能力評価基準」を活用することで履修認定や単位互換、正規課程単位との読み替えなどへとつなげていくことが可能となる。
そこで、これからのスポーツ分野における職業教育の高度化や対象者の拡大化などを図る狙いから、上述の「職業能力評価基準」の検証などの活動成果を踏まえながら、「学習ユニット積み上げ方式」「単位制」による教育システムの実現に向けた検討を行う。具体的には、東京スポーツ・レクリエーション専門学校及び東京メディカル・スポーツ専門学校の卒業生に対するアドバンスコースのカリキュラムとして検討する。
この「単位制」の検討は平成24年度のコンソーシアムでの議論を踏まえる形で、平成25年度の職域プロジェクトにおいて行う。

(3)事業の実施意義や必要性について

① 当該分野における人材需要等の状況、それを踏まえた事業の実施意義

平成23年、我が国のスポーツ振興の基本を定める法律として「スポーツ基本法」が制定された。
この「スポーツ基本法」では基本理念として「国民が生涯にわたりあらゆる機会と場所においてスポーツを行うことができるようにすることを旨として推進されなければならない」と謳い、スポーツが「健全な心身を培い豊かな人間性を育む基礎」であると、その重要性を強調している。
実際のところ、このような国の施策や国民全体に広がる健康志向の高まりなどから、年々スポーツを日常的に行う人々は増加の傾向にある。図1に示すのは、笹川スポーツ財団による「定期的な運動・スポーツ実施率の推移」に関するデータである。これによれば、20年前の1992年時点では週1回以上スポーツを行う人の割合は23.7%であったものが、2010年には6割に近い比率にまで増えている。また、同財団がアクティブ・スポーツ人口と呼ぶ「週1回以上、1回30分以上、運動強度「ややきつい」以上」のスポーツ実施者も、全体の2割弱を占めており、1992年から3倍近く増加している。

上記のようなスポーツ人口の増加の背景には、サッカーなどの競技スポーツの活発化やレクリエーションスポーツの普及・浸透などの他、社会の高齢化がある。
図2は内閣府の「体力・スポーツに関する世論調査」から作成したデータだが、スポーツ人口の内訳を年齢層別で見てみると、年齢が高くなるにつれて、スポーツ実施頻度も多くなっている。
すなわち、スポーツ人口を構成するのは子どもから高齢者まで幅広く、かつその内容も多様化しており、現在のスポーツをめぐる状況はかつてに比べ大きく変化している。

このようなスポーツをめぐる状況の変化に伴い、スポーツを行う人々の健康管理や障害予防・処置などを行うスポーツトレーナーの活躍の場が拡大していくことが期待されている。これまでのように競技スポーツの現場だけでなく、高齢者スポーツや障害者スポーツ、あるいは幼児・子どもの教育や社会人一般のトレーニングなど様々な場面で、スポーツを行う人々の健康・安全を支援する専門人材として活躍することが望まれている。スポーツ人口の多様化が進む中、今後はスポーツトレーナーの担う役割は重要さを増していくはずである。
活動範囲の拡大は、スポーツトレーナーにとっても社会的・経済的地位の向上につながるなどのメリットがある。日本体育協会が平成20年にAT有資格者に対して行った調査によれば、トレーナーとしての年収は「なし」が25%と最も多く、「100万円以下」が20%でこれに次ぐ結果となっており、経済的に不安定な一面が報告されている。トレーナーとしての職域が広がり活躍の場が増えれば経済的な安定感が増し、結果としてスポーツ環境の全体的な改善という好循環を生み出すものと見込まれる。
そのためには、スポーツトレーナーの一層の質向上が図られなければならない。スポーツトレーナーの能力を保証するものとして様々な資格が運用されているが、それらは資格取得時点の能力評価であり、取得後の能力を評価するシステムは充分に整備されていないのが実状である。
こうした現状において、資格取得後・就職後に身に付けた能力・スキルを評価する指標である「職業能力評価基準」の適用と検証を行う本事業の取り組みは、適正な能力評価の実現を目指すものであり、これからのスポーツ専門人材の質向上、スポーツの健全な発展に大いに寄与するものである。

② 上記(2)の取組が求められている状況、本事業により推進する必要性

スポーツ専門人材養成コンソーシアムでは、平成23年度の文部科学省委託事業において職業能力評価基準を策定したが、様々な局面に評価基準を適用し、その有効性や妥当性を検証する必要がある。その理由は、前項で述べたように、スポーツトレーナーが活動する場や対象者が多様化しているためである。また、スポーツトレーナーの経歴や経験、保有資格なども一様ではないことも大きい。能力の評価基準としての客観性や網羅性、適正性などを確保するためには、現状に応じた適用と検証を積み重ねることが不可欠である。また、変化の著しいスポーツ業界に対応していくためには、継続的に内容の見直しや改訂を重ねていく必要もある。

(4)事業の実施計画について (連携体制、工程、普及方策、期待される活動指標(アウトプット)・成果目標及び成果実績(アウトカム)等)

①連携体制

スポーツ専門人材養成コンソーシアムの下で、職域プロジェクトとして本事業を推進する。
事業の推進主体として実施委員会を設置する。実施委員会は活動の方向性や指針を決定し、進捗や品質などのマネジメントを担当する。
また、実施委員会は定期的にスポーツ専門人材養成コンソーシアムに対して活動内容や経過、(中間)成果などについて報告を行う。コンソーシアムから受けた評価や意見などに基づき、活動の改善などを図る。
実施委員会の下部機関として、基準実証分科会とプロジェクト総合評価分科会を設ける。基準実証分科会は、本事業の活動内容に係る作業の実行、進行管理などを担当する。プロジェクト総合評価分科会は、プロジェクトのプロセス及び成果に対する評価を行う。


②工程
内容8月9月10月11月12月1月2月3月
①実施委員会     
②基準実証分科会
③実証詳細
     
④計画
     
⑤実証 
  
⑥実証結果分析  
 
⑦総合評価分科会      
⑧報告書作成     
⑨成果報告会       
③アウトプット

① スポーツトレーナー活動実態調査研究報告書
② スポーツトレーナー職域拡大検証結果報告書
③ 平成23年度版職業能力評価基準の実証検証報告書

④アウトカム

① 平成23年度版職業能力評価基準という客観指標によるスポーツトレーナーの能力評価・調査研究を通して、今後の育成体系やキャリアパスなどに関する有益な情報を集約することができる。
② 高齢者や幼児、青少年など、今後スポーツトレーナーが必要とされる新しい活躍の場(職域)について具体的な感触・可能性を検証することができる。
③ 職業能力評価基準の検証と改善により、効果的・効率的な人材育成につながっていく。

(5)事業終了後の方針について(継続性、発展性 等)

①キャリア段位への展開

今年度の本事業の成果をベースに、スポーツ専門人材の職業能力評価基準の拡充化を継続的に行う。その際、内閣府で検討が重ねられている「キャリア段位制度」のコンセプトや枠組みを取り入れる形で、評価基準の制度化を検討していく。また、スポーツトレーナーの職域の拡大に対応するために、スポーツ専門人材養成コンソーシアム下の職域プロジェクト「スポーツ医療のスキルを兼ね備えたコメディカル人材の育成」の活動成果も参照していく。
スポーツ専門人材は、ひとつの競技スポーツチームに帰属しているケースの他、複数のチームや団体で兼務しているケースやフリーとして活動している例も少なくない。就業の形態に流動性があることから、能力評価の共通の基準となる「キャリア段位制度」に対する潜在的なニーズは高いものと考えられる。今後、職業能力評価基準の拡充化と制度化の取り組みによって、業界に普及・浸透していけば、人材の適材適所や効果的な人材育成が促進され、業界全体の活性化につながるものと見込まれる。

②単位制による教育システムの具体化

単位制に基づく教育システムの具体化に向けた取り組みを推進する。そこでは、「職業能力評価基準」を活用して、「学習ユニット」の学習達成度評価を行う履修認定や、正規課程の単位の読み替え・単位互換といった仕組みについて具体的に検討していく。併せて、既存の教育リソースを中心にスポーツ専門人材を養成する「学習ユニット」群(カリキュラム体系)の構築を進めていく。

成果物