6次産業化プロデューサー(群馬版)|食・農林水産

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事業計画 6次産業化プロデューサー(群馬版)

1.事業名称

"農業の価値"を消費者に伝える6次産業人材養成に向けた学習システム構築プロジェクト

2.職域プロジェクトの名称

農業の価値を消費者に伝える6次産業人材養成プロジェクト

関係するコンソーシアムの名称(職域プロジェクトのみ記入)

食と農を結ぶ産官学連携コンソーシアム(食農コンソーシアム)

3.分野名

食・農林水産

4.代表機関

■ 代表法人

法人名 学校法人有坂中央学園
学校名 中央農業グリーン専門学校
所在地 〒371-0844
群馬県前橋市古市町1-49-4

5.産学官連携コンソーシアム又は職域プロジェクトの構成員・構成機関等

(1)構成機関

構成機関(学校・団体・機関等)の名称 役割等 都道府県名
1 学校法人有坂中央学園 中央農業グリーン専門学校 総括、実証講座等 群馬県
2 学校法人浦山学園 富山情報ビジネス専門学校 カリキュラム開発協力校 富山県
3 学校法人龍澤学館 盛岡カレッジオブビジネス カリキュラム開発協力校 岩手県
4 学校法人宮崎総合学園 宮崎情報ビジネス専門学校 カリキュラム開発協力校 宮崎県
5 群馬県農業協同組合中央会(JA群馬中央会) 農業分野 群馬県
6 群馬県農業法人協会 農業分野 群馬県
7 前橋市農業協同組合 農業分野 群馬県
8 群馬県観光物産国際協会 観光分野 群馬県
9 前橋商工会議所 商工分野 群馬県
10 高崎経済大学 コンソーシアム統括団体 群馬県
11 社団法人JC総研 普及、啓発活動支援 東京都

(2)協力者等

氏名 所属・職名 役割等 都道府県名
野村 一正 元 株式会社農林中金総合研究所 顧問 農業分野 有識者委員 東京都
金子 昌彦 カネコ種苗株式会社 農業分野 有識者委員 群馬県
竹内 勝 有限会社竹内園芸 代表取締役 農業分野 有識者委員 徳島県
黒澤 英俊 多野藤岡農業協同組合 常務理事 農業分野 有識者委員 群馬県
永澤 徹 ルンズ・ファーム株式会社 代表取締役 農業分野 有識者委員 群馬県
嶋崎 秀樹 農業生産法人 有限会社トップリバー 代表取締役 農業分野 有識者委員 長野県
松本 弘 株式会社マツモト 農業分野 有識者委員 群馬県
田村 善男 ぐんま県央青果株式会社 常務取締役 流通分野 有識者委員 群馬県
高木 捷治 株式会社フレッセイ 常勤監査役 流通販売分野 有識者委員 群馬県
松本 州史 東京理器株式会社 流通販売分野 有識者委員 東京都
土屋 裕雅 株式会社カインズ代表取締役社長  流通販売分野 有識者委員 群馬県
岩井 雅之 ファームドゥ株式会社 代表取締役 流通販売分野 有識者委員 群馬県
田島 悦久 株式会社ボルテックスセイグン 常務取締役 運輸分野(通関) 有識者委員 群馬県
鬼頭 誠司 キューズファクトリーズ株式会社 代表取締役社長 外食分野 有識者委員 愛知県
三谷 徹男 株式会社CRI中央総研 代表取締役社長 経営分野 有識者委員 群馬県
吉田 一衛 一般社団法人 ひと・もの・地域連携支援協会 有識者委員、コーディネーター 東京都
清水 一徳 株式会社コミュニティブレインズ 代表取締役 有識者委員、コーディネーター 東京都

6.事業の内容等

(1)事業の概要

"農業の価値"を消費者に伝えることができる、"農業の価値を体得している"6次産業人材養成を目的に、調査研究を通じ、6次産業人材学習ユニットを作成し、体験を経験化する学習ツールや6次産業人材養成基礎テキスト、ケースメソッド教育の試行導入に向けたケースブックを開発し、実証講座を行い、開発物の検証を行うとともに、"農業の価値を体得した"地元志向の求職者に6次産業に従事するための能力養成の機会を提供します。

(2)事業の内容について (産学官連携コンソーシアム又は職域プロジェクトにおける具体的な取組内容)

本事業は、日本の風土だけでしか作れない農作物を、新しい日本製品(ジャパンプロダクツ)として日本国内だけでなく海外展開も視野に入れた産業として大きく成長する可能性をもつ6次産業を担う、"農業の6次産業ベンチャー"養成に向け、"農業の価値"を消費者に伝えることができる、"農業の価値を体得している"6次産業人材養成を目的に、調査研究や開発事業からなる、以下の取組1~7を、構成機関や協力者、食農コンソーシアムと連携を取り、実施します。
人材・教育ニーズ調査と事例調査の結果や研究成果は、食農コンソーシアムに資料ととして提供するとともに、食農コンソーシアムと連携して、教材等の開発を推進します。また、調査・研究・開発の各フェーズを通して得られた知見を取りまとめ、構成機関等を通して普及を行います。

具体的な取組内容と開発内容の位置づけ

【取組1】6次産業人材養成学習ユニット「Agribusiness Value Chain Cube 」(AVCC)の開発

"農業の価値を体得している"6次産業人材養成に向け、CAGカリキュラムをベースとした、中核人材に必要な専門知識やスキルなどを学習する、学習ユニット積み上げ式に対応する「Agribusiness Value Chain Cube 」(AVCC)を開発します。

この学習ユニットは、学習者が農業の価値を体得した6次産業人材となり、農業の6次産業ベンチャー(自営業者)を目指すユニットにより、構成します。
開発には、食農コンソーシアムの昨年度の成果を踏まえ、中央農業グリーン専門学校のカリキュラムと、養成する能力(アウトカム)群をリンクさせた学習ユニット化を推進します。右図は、開発するAVCCのイメージです。

【取組2】6次産業人材総合テキストの開発

"農業の価値が分かる"6次産業人材を育成するために「6次産業人材養成総合テキスト 」(仮タイトル)の開発を行います。
 開発するテキストには、農商工連携等人材育成事業(全国中小企業団体中央会委託事業)や求職者支援制度による職業訓練コースなど中央農業グリーン専門学校がこれまで実施してきた職業訓練等のテキストや教育ノウハウも活用し、6次産業の意義や定義から始まり、6次産業におけるキャリアデザインや職業生涯モデル、求められる能力や職能、必要とされる知識の概要を含めた総合的なテキストとします。
 開発したテキストは、求職者支援制度などの職業訓練講座においても活用するものとします。

【取組3】体験を経験化する学習ツールの開発

これからの6次産業人材養成は、知識型から体験型(実証型)を重視したプログラムを導入すべきであり、学習者が"体験的に学ぶ総合学習型"のプログラムにおいて、従来の体験日誌・実習日誌などのレポートよりも効果的な学習を促すツールを目指し、体験を経験化(体得)するための学習ツールを開発します。
 学習ツールの開発には、農業の価値を消費者に伝える"農業の6次産業ベンチャー"ともいえる自営業者に求められる経営能力を高めるために、①業務プロセスの視点②顧客の視点③財務の視点④人材と変革の視点を着眼点に、「具体的経験→内省→教訓→新しい状況への適用」:コルブの経験学習モデルを活用します。さらに、開発する学習ツールは実証講座にて使用し、その使用方法や指導方法を検証します。

【取組4】"事例演習"(ケースメソッド教育)による意思決定力を養うプログラムの試行導入

農業の価値を消費者に伝える"農業の6次産業ベンチャー"ともいえる自営業者に求められる経営能力(専門知識と意思決定力)のうち、自然環境リスクや経済リスクに対応する意思決定力を養成するためのユニットプログラムとして、「事例演習」(ケースメソッド)を開発し、実証講座において試行導入を行います。
総合学習型のプログラムは、科目横断的に学ぶ必要があり、事例演習(ケースメソッド)と事例研究(ケーススタディ)など事例をベースにした学習が有効と考えられます。このうち、本プロジェクトでは、6次産業や農商工連携の事例調査により、6次産業化や農商工連携に特化した「事例集(ケースブック)」を開発し、実証講座で事例演習(ケースメソッド)を試行導入し、その指導ノウハウを蓄積します。

◇ケースメソッド: ケースを使用し、影響ある変化を与え、それについてどう対応するのか、学習者同士が討議を行い、思考を鍛えていく教育方法
◇ケーススタディ: ケースを読み、因果関係を明らかにしながら一般原則を見抜いていく教育方法
【取組5】人材・教育ニーズ調査(アンケート調査)

6次産業人材養成学習ユニットの開発及び事例演習(ケースメソッド)プログラムの開発に向けて、以下のアンケート調査を実施します。
 アンケート結果は、本プロジェクトで使用するだけでなく、食農コンソーシアムへも提供し、食農コンソーシアムにおいても6次産業人材の研究に活用していただきます。

調査目的   6次産業人材の就業先で期待される教育内容を明らかにする。
調査項目   6次産業人材のニーズ(人材像、能力・スキル)、今後の従業員等の採用意向、
       6次産業化の意向、6次産業への就業意向や転職意向、農価値についてなど
調査対象   群馬県内外の生産法人、直売所等 500ヶ所
実施方法   調査票の郵送配布、郵送回収
成果の活用  ・6次産業人材養成学習ユニットへ反映させる
       ・食農コンソーシアムへ、資料として結果を提供

【取組6】事例調査(主にヒアリング調査)

全国の6次産業化や農商工連携の先進事例を調査し、事例演習や事例研究で使用する事例集(ケースブック)の作成を行うために、以下の調査を実施します。

調査目的   ケースメソッド教育のケース作成のため
調査項目   6次産業化や農商工連携の成功事例及び失敗事例について、その過程を調査。
       不足部分については、文献調査等で補足。
調査対象   日本全国の6次産業化事例と農商工連携事例  5事例程度
成果の活用  ・ケースとして整理し、教材とする。

【取組7】実証講座(検証)

上記の取組成果を検証するとともに、地元志向の求職者に6次産業に従事するための能力養成の機会を提供するため、3コースの実証講座を行い、その成果を学習システム構築に反映させます。
 実証講座では、農商工連携等人材育成事業(全国中小企業団体中央会委託事業)や求職者支援制度による職業訓練コースなど、中央農業グリーン専門学校がこれまで実施してきた職業訓練等のテキストや教育ノウハウも活用していきます。
 また、各コースにおいて、受講者に対して、体験を経験化する学習ツールを導入し、このツールの使用方法や指導方法を検証し、ノウハウを蓄積します。

○実施コースの概要

開講コース 時間数 概要 対象 募集人数
農業経営
コース
15日間
(90時間)
農業の価値を体得している人材を目指し、生産から流通販売まで、6次産業人材の基礎を学ぶ 求職者、
未就業者等
20名
6次産業ベンチャー育成コース 8日間
(48時間)
農業の価値が分かる人材を対象に、上位レベルのユニットを実施 農業従事者等 20名
ケースメソッド
教育講座
3日間
×1回
事例演習(ケースメソッド)ユニットプログラムの実施 社会人等 20名

◇農業経営コース

求職者や未就業者等を対象に、2カ月の期間にわたり、計15日間90時間(週2~3日程度)の講座を実施します。座学・実習等を通して、生産の現場から販売・サービスの現場まで、6次産業の現場を知ることを重視したユニット構成とします。
6次産業人材の基礎を学び、農業の6次産業ベンチャーの第一歩となる農業経営について学び、6次産業人材としての就業を目指すコースとします。

◇6次産業人材コース

農業従事者等を対象に、週2日、計8日間48時間の講座を実施します。このコースでは、"農業の価値が分かる"人材を、農業の価値を消費者に伝える農業の6次産業ベンチャー(自営業者)に養成するユニット構成とし、農業経営コースの上位コースと位置づけ、商品開発技法や輸出のための通関知識なども学習するコースとします。

◇ケースメソッド教育講座

社会人等を対象に、事例演習ユニットを行うコースとします。1事例の学習時間を3日間と想定し、導入講義から①個人学習②グループ討議③クラス討議を実施します。
このコースは、「農業経営コース」「6次産業ベンチャーコース」の対象者以外にユニットプログラムを実施し、ユニットプログラム内容を検証することを主な目的とします。

【各コースにおいて検証する内容】

①ユニットサイズ(時間数と学習範囲)
②ユニットレベル(対象者と学習レベルのマッチング) ※達成度評価を行い、レベルを検証。
③学習ツール(使用方法とフォーマット)
④ケースメソッド教育(ケースの適切性と指導方法)

(3)事業の実施意義や必要性について

① 当該分野における人材需要等の状況、それを踏まえた事業の実施意義

○6次産業への期待

6次産業は、「地域内の資源を利用した生産から加工、流通・販売、地域内の資源とその加工品を利用した情報サービス・観光業等、全ての活動が同一の地域内を中心に実施されている産業群」であり、"一次産業で生み出された価値を消費者までつなぎ、高めていくこと"(アグリカルチュアル・バリュー・チェーン)によって、産業として成長発展し、我が国の経済成長を牽引することが期待されています。また、"食"は毎日消費され、自動車や電気機器などのような耐久消費財ではなく、毎日消費される産業です。地球人口は70億人から90億人へ増加し、将来、食料争奪戦争が起きかねない状況も想定されます。食に関連した産業は、そのような価値と特性を持った産業でもあります。

⇒6次産業人材「農林畜水産物の生産から商品開発、事業化まで、食品製造業、外食・小売・観光産業までを総合的かつ横断的に行う人材」

○新しい日本製品(ジャパンプロダクツ)="日本の風土でしか作れない農産物"の発信

日本には、海外の他国では考えられない良質の水が自然に採取でき、飲める国であり、本当に豊かな自然が残っており、山紫水明であります。この自然豊かな国で生産された農産物は、良質であるが故に海外で評価され、高く売れる時代となっています。中国をはじめとする東南アジアの台頭、中でも富裕層の増大がその消費を促進させています。日本国内は人口減少時代に入り、国内市場の縮小が指摘されており、地域は海外進出、海外戦略をにらんでいかなければなりません。
6次産業は、地域内の資源を利用した農作物から製品・サービスを、日本国内だけでなく、海外に輸出し、新しい日本製品(ジャパンプロダクツ)を発信することにより、産業として大きく成長する可能性を持っています。

○一次産業で生み出された価値="農業の価値"を消費者までつなぎ、高めていく

近年の商品やサービスには、ストーリー性が求められている。このストーリーには"源流の価値"、すなわち一次産業の価値や農業の価値(農価値)が損なわれることなく、脈々と流れ、付加価値を増やして消費者に届くことが期待されています。6次産業は、第一次産業(農業)を起点とした"農業の価値を損なわないバリューチェーン"であります。6次産業に従事する者は、農業の価値を体得し、農業の価値を損なうことなく消費者に提供する力を持つことが必須となりつつあります。

○農業の6次産業ベンチャー養成

戦後の復興期には、自営業者がたくさん生まれました。その方々が戦後経済の担い手になりました。6次産業人材の育成には、そのような自営業者=農業の6次産業ベンチャーの育成があります。個々の6次産業ベンチャーが集合して6次産業が経営され、産業として成長すると考えられます。産業が成長することにより雇用も創出されます。
そのために、農業の6次産業ベンチャー養成が大事であり、この産業に従事する6次産業人材は、"農業の価値を体得し、農業の価値を損なうことなく消費者に提供する"ために、多様な期待に応えられる力が求められます。
→ビジネスセンス(マーケティング、イノベーション、マネジメント)
→経営能力の向上(専門知識と意思決定力)

○地元志向の求職者に、雇用の場となる6次産業に従事するための能力養成の機会を提供する必要があります。

② 上記(2)の取組が求められている状況、本事業により推進する必要性

農業の価値を消費者に伝える6次産業人材養成に向けた学習システムの構築に向けて、本事業で取り組む事業の狙いや明らかにする点は以下に示すとおりです。(取組毎に、「昨年度までの食農コンソーシアムの成果」、「推進の必要性」に分けて説明します。)
また、食農コンソーシアムと能動的に連携することにより、職域プロジェクトと食農コンソーシアムが一体的に人材育成のための取組を推進できると考えます。

【取組1】6次産業人材養成学習ユニット「Agribusiness Value Chain Cube 」(AVCC)の開発

○昨年度までの食農コンソーシアムの成果
モデルカリキュラムのイメージとして、学習者が段階的・継続的に学べるようにカリキュラムをユニット化した「ぐんま食農ビジネススクール」カリキュラムを作成し、モデルカリキュラム基準では、4つのビジネス系コースをユニット1からユニット5まで5段階に区分しています。

○推進の必要性
カリキュラムのベースとする中央農業グリーン専門学校のカリキュラムは、「生産、食品加工、販売・サービス」の3軸による2年制の6次産業人材育成のカリキュラムであり、 社会人の学び直し等に対応するために、ユニット化を図る必要性があります。また、農業の6次産業ベンチャー(自営業者)を目指す、農業者や生産法人で従事する就業者向けには、商品開発技法や輸出のための通関知識などの上位ユニットプログラムが必要であり、この上位ユニットの開発も必要となると考えています。
食農コンソーシアムの昨年度の成果を踏まえ、中央農業グリーン専門学校のカリキュラムを、養成する能力(アウトカム)群とリンクさせ、学習ユニット化を推進します。

【取組2】6次産業人材総合テキストの開発

○昨年度までの食農コンソーシアムの成果
学ぶ側のキャリアパスが見渡せる体系的な知識・技術が身につくカリキュラムの開発・設計を行っているが、プログラムの広域展開には共通科目で用いるモデル教材や指導法の確立も欠かすことはできないと指摘しています。
○推進の必要性
6次産業人材の専門知識は、生産、加工、流通、販売、外食、地域ビジネス、交流・観光、産業創出まで幅広いジャンルに渡っています。現状では、各論のテキストや専門書は十分に存在していますが、求められる知識を体系的に整理し、総合的に俯瞰できるテキストは十分ではなく、農業概論やサービス業概論などの○○業入門・概論といった6次産業について学習する人材に向けた総合テキストの開発が求められています。また、総合テキストにおいて、6次産業における従事者のキャリアデザインや職業生涯モデルを提示することにより、学習者のキャリアパスを明確にすることができ、学習意欲の向上にもつながると考えます。

【取組3】体験を経験化する学習ツールの開発

○昨年度までの食農コンソーシアムの成果
カリキュラム案で示された養成する能力(アウトカム)は、「知識」や「技術」の理解度・達成度ではなく、「ビジネスをする上で欠かすことのできない能力(視点・思考)」の習熟度とされています。また、各ユニットにおけるシラバスのフォーマットは、4つの要素(①導入②フィールド・実習③座学④ワークショップ)でパッケージ化し、各段階で学んだことを確認するためのエクササイズ開発の必要性も指摘されています。

○推進の必要性
キャリア段位制度では、「分かる」と「できる」によるレベルの検討がされています。「分かる」は座学ベースで習得可能であり、テストにより確認ができます。一方、「できる」は体験実習ベースであるが、学習者の学習成果を確認するツールが十分ではないと思われます。
現状では、「できる」は発揮された成果による評価が中心となっていますが、成果が発揮されるまでには、A体験→B経験化→C実行→D成果(売上・事業継続・新商品開発など)の流れがあり、実行につなげるための経験化がポイントの一つとなります。そのためには、体験を経験化(体得)するための学習支援の仕組みが必要であると考えます。

【取組4】"事例演習"(ケースメソッド教育)による意思決定力を養うプログラムの試行導入

○昨年度までの食農コンソーシアムの成果
6次産業化に必要な能力の中で最も重要な能力は「異業種と会話できる能力」であり、高度アグリビジネス人材には、価格以外の情報やネットワークから付加価値の高い経営を生み出すことができる創造できる能力が求められていると結論づけています。また、多様なバックグラウンドを持つ学習者が相互に学び合うような学習システムを提供することで、学習者は学びの過程で自然と異業種交流を深めていく、学びながら異業種とのネットワークが形成されるような実習ベースの教育スタイルが必要であるとも指摘しています。

○推進の必要性
農業の6次産業ベンチャー(自営業者)には、経営能力(専門知識と意思決定力)の向上が必要であり、このうち、専門知識の習得は、座学等で行うことができます。
意思決定力は、一般的に修羅場の経験で高まるとされており、修羅場において、
①自分ではこれまで見えていなかった仕事のやり方の不備を知ること
②他者が持っている情報の組み合わせや新しい情報を構築していく力に直接触れること
を経験します。これは意思決定力に要求されているものであり、この効果を教室の中でも有効とする教育方法として、ケースメソッド教育が挙げられます。
ケースメソッド教育を通して、「自分の構築した考えと他者の持っている情報を作り出す力に触れながら情報を対比し、新たに情報を組み立てる力を学習する」ことが可能であり、新しいビジネスの創出へつなげる人材育成ができると考えています。
また、企業の人材開発(マネジメント面)に関するケースブックは既成のものがあり、6次産業化・農商工連携に特化したものはまだ作られていないため、事例(ケース)の開発が必要となります。
本プロジェクトでは、ケースメソッド教育を取り入れた「事例演習」ユニットを開発します。

【取組5】人材・教育ニーズ調査(アンケート調査)

6次産業人材養成学習ユニットを開発するための基礎資料を得るために実施します。また、実証講座の受講生や今後、開発した学習システムで養成された人材の出口対策の基礎資料として活用します。
調査結果は、食農コンソーシアムに提供し、食農コンソーシアムにおいて、6次産業人材の能力やスキル、定義等を深耕するための資料として活用していただく計画としています。

【取組6】事例調査(主にヒアリング調査)

ケースメソッド教育には、事例:ケースが必要となります。既存のケースメソッド教育では、既成の人材開発(マネジメント面)に関するケースブックが教材として用いられていますが、6次産業化や農商工連携に関するケースの開発はほとんど行われていません。ケースの開発には、事例を取り上げ、行った出来事に恣意や作為を入れることなく記述していくことが求められます。

【取組7】実証講座(検証)

上記1~6の取組成果を検証するとともに、地元志向の求職者に6次産業に従事するための能力養成の機会を提供するため、実証講座を行います。


(4)事業の実施計画について (連携体制、工程、普及方策、期待される活動指標(アウトプット)・成果目標及び成果実績(アウトカム)等)

①.連携体制

1次産業から3次産業まで、分野を超えた連携を行うため、産業界から生産・流通・販売に関する企業に参画してもらうとともに、岩手県及び富山県、宮崎県の専門学校とも連携し、地域間の連携も図ります。また、食農コンソーシアムとも一体的に活動できるよう構成機関に参加してもらいます。

◆構成機関・・・ 11団体・機関により構成
◆実施委員会・・・プロジェクト全体の進捗や方向性を決定し、プロジェクトマネジメントを担当
◆調査分科会・・・人材・教育ニーズ調査及び事例調査を担当
◆研究分科会・・・6次産業人材養成学習ユニット及び体験学習カルテ等の研究を担当
◆開発分科会・・・6次産業人材養成総合テキストの開発を担当
◆講座運営分科会・・・実証講座の運営を担当

②.スケジュール(運営工程案)
内容 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
実施委員会      3回
【取組5】人材・教育ニーズ調査
      
【取組6】事例調査  
     
 調査分科会     4回
【取組1】6次産業人材養成学習ユニットの開発 
     
【取組3】体験を経験化する学習ツールの開発   
   
【取組4】事例演習による意思決定力を養うプログラムの試行導入   
   
 研究分科会     4回
【取組2】6次産業人材総合テキストの開発 
    
 開発分科会     4回
【取組7】実証講座(検証)          
農業経営コース    
  15日間
6次産業ベンチャー育成コース    
   8日間
ケースメソッド教育講座      
  3日間×1回
 講座運営分科会     4回
成果報告会        1回
③.普及の方策

取組内容(調査・研究過程、実証講座)を記録し、HP等を活用して随時、公開
実証講座を活用して事業の周知
成果報告会の実施
成果報告書の作成と頒布
構成機関を通した事業成果の周知

④期待される活動指標(アウトプット)・成果目標及び成果実績(アウトカム)

【アウトプット】
本事業が計画通りに推進され、職域プロジェクトのアウトプットとして、以下の4点の開発物を想定している。
①「Agribusiness Value Chain Cube 」(AVCC)
②「6次産業人材養成総合テキスト」
③「6次産業ケースブック」
④「体験学習カルテ」

【成果目標】
①事業計画通り、教材等の開発を行い、実証講座にて検証(達成度評価含む)を行う
②農価値を消費者に伝えることができる、"農価値を体得している"人材の養成を行う
③開発する教材テキストを配布し、成果の普及を行う"

【成果実績】
上記の成果目標を達成することにより、農業の価値を体得した6次産業人材となり、農業の6次産業ベンチャー(自営業者)を目指す6次産業人材養成学習システム構築の基盤づくりが図れる。

(5)事業終了後の方針について(継続性、発展性 等)

①継続性

各専修学校が、それぞれの学校で教育コースの実施し、教育カリキュラムの有効性検証を図り、検証結果を教育カリキュラムに反映させます。
開発した6次産業人材学習ユニットを活用し、求職者支援制度などを活用し、職業訓練講座を開講し、人材養成を進めます。また、「6次産業人材養成総合テキスト」は、これらの講座で活用し、事業成果を普及するとともに、人材養成に資するものとします。

②発展性

「食と農を結ぶ産官学連携コンソーシアム(食農コンソーシアム)」と連携し、地域で食農人材を育成する学習ユニット積み上げ式の学習システム構築を推進します。
「事例演習」ユニットの事例(ケース)開発を進め、ユニット内容の充実を図ります。

成果物