看護|医療・福祉・健康 介護・看護

事業計画 看護

1.事業名称

少子高齢化、地域包括ケア時代の総合的な教育体系づくりと中核的看護専門人材の育成

2.職域プロジェクトの名称

看護分野の中核的専門人材育成プロジェクト

関係するコンソーシアムの名称

介護人材・看護人材養成コンソーシアム

3.分野名

③医療・福祉・健康

4.代表機関

代表法人

法人名学校法人麻生塾
学校名麻生看護大学校
所在地〒820-0018
福岡県飯塚市芳雄町3-83

5.産学官連携コンソーシアム又は職域プロジェクトの構成員・構成機関等

(1)構成機関

構成機関(学校・団体・機関等)の名称役割等都道府県名
1 麻生看護大学校 事業の統括 福岡県
2 公益社団法人日本看護協会 調査 東京都
3 公益社団法人日本訪問看護財団 評価基準、教育プログラム開発 東京都
4 日本赤十字九州国際看護大学 教育プログラム開発 福岡県
5 聖路加看護大学 教育プログラム開発、調査 東京都
6 穴吹医療大学校 調査、教育プログラム開発 香川県
7 九州経済調査協会 調査実施 福岡県
8 一般社団法人全国訪問看護事業協会 調査実施 東京都
9 麻生看護サービス株式会社 実証事業 福岡県

(2)協力者等

氏名所属・職名役割等都道府県名
百瀬栄美子 麻生看護大学校・副校長 調査・教育プログラム 福岡県
喜多悦子 日本赤十字九州国際看護大学・学長 プログラム開発 福岡県
山田雅子 聖路加看護大学・看護実践開発研究センター長 プログラム開発、調査 東京都
齋藤訓子 公益社団法人日本看護協会・常任理事 調査 東京都
佐藤美穂子 公益社団法人日本訪問看護財団・常務理事 調査・キャリアパス 東京都
上野桂子 一般社団法人全国訪問看護事業協会・理事 調査・キャリアパス 東京都
伊藤慎二郎 穴吹医療大学校・副校長 調査・教育プログラム 香川県
南伸太郎 財団法人九州経済調査協会・調査主任 調査 福岡県
吉野清隆 熊本駅前看護リハビリテーション学院・事務局長 教育プログラム 熊本県
山下和美 麻生医療福祉専門学校福岡校・学科長 キャリアパス・教育プログラム 福岡県
新開昌信 麻生介護サービス(株)・代表取締役社長 教育プログラム 福岡県
高野隆児 株式会社映像システム・取締役 教育プログラム 東京都
小川全夫 NPO法人アジアン・エイジング・ビジネスセンター・理事長 キャリアパス 福岡県

(3) 産学官連携コンソーシアムの下部組織(設置は任意。職域プロジェクトの場合は記入不要)

名称(調査分科会)
氏名 所属・職名 役割等 都道府県名
百瀬栄美子 麻生看護大学校・副校長 調査 福岡県
齋藤訓子 公益社団法人日本看護協会・常任理事 調査 東京都
佐藤美穂子 公益社団法人日本訪問看護財団・常務理事 調査 東京都
南伸太郎 財団法人九州経済調査協会・調査主任 調査 福岡県
伊藤慎二郎 穴吹医療大学校・副校長 調査 香川県
名称(キャリアパス開発分科会)      
上野桂子 一般社団法人全国訪問看護事業協会・理事 パス開発 東京都
五十嵐清 日本赤十字九州国際看護大学・特認教授 パス開発 東京都
山下和美 麻生医療福祉専門学校福岡校・学科長 パス開発 福岡県
光武和寿 麻生看護大学校・教員 パス開発 福岡県
小川全夫 NPO法人アジアン・エイジング・ビジネスセンター・理事長 パス開発 福岡県
名称(教育プログラム開発分科会)      
喜多悦子 日本赤十字九州国際看護大学・学長 教育プログラム 福岡県
新開昌信 麻生介護サービス(株)・代表取締役社長 教育プログラム 福岡県
高野隆児 株式会社映像システム・取締役 教育プログラム 東京都
吉野清隆 熊本駅前看護リハビリテーション学院・事務局長 教育プログラム 香川県
木本洋子 麻生医療福祉専門学校北九州校・教員 教育プログラム 福岡県
名称(事務局)      
清崎昭紀 学校法人麻生塾法人本部経営企画室長 事務局責任者 福岡県
北川めぐみ 学校法人麻生塾法人本部社会人教育事業部・リーダー 会計・事務 福岡県
黒木康博 学校法人麻生塾法人本部経営企画室職員 事業運営 福岡県
鶴丸正廣 学校法人麻生塾法人本部経営企画室職員 調整・事務 福岡県
蒲池琴美 財団法人九州経済調査協会・調査員 事務 福岡県

 

6.事業の内容等

(1)事業の概要

 本プロジェクトは看護師の生涯教育の体系化と教育プログラム開発に取り組む。

 生涯教育の体系化は、実態調査・ニーズ調査の結果をもとに看護師の生涯教育モデル、学習ユニットの積み上げ方式による課程修了モデルやユニットの教育カリキュラムなどの提示に取り組む。

 教育プログラムの開発は、需要の高い看護師の就業・開業支援、潜在看護師の再就業支援に絞りモデルカリキュラム・接待度評価等を開発し、教育の実践に備える。

 

(2)事業の内容について(参学官連携コンソーシアム又は職域プロジェクトにおける具体的な取組内容)

 本プロジェクトでは、「介護人材・看護人材養成コンソーシアム」の職域プロジェクトとして、福祉・医療分野における中核的専門人材の養成に取り組む。

 平成23年度に福祉分野の中核的専門人材の調査とスキル標準の開発プロジェクトに取り組んだ「福祉人材養成コンソーシアム」と連携し、その事業成果を参考にし、看護師人材の育成・能力開発を目的とした一連の教育プログラムを開発する。

 なお、教育プログラムの開発では、看護人材のなかでも、これから大きな需要の伸びが見込まれる『訪問看護サービス』と『潜在看護師の再就職支援』の2つの施策を主要課題と捉えて取り組む。

①調査研究・・・調査分科会担当

 3つの主要な調査から構成する。

(ア)教育体系の調査・・・看護師の確保対策のうち教育・研修は、看護協会や自治体などが定着促進、資質向上、再就業支援などに取り組んでいる。これら教育・研修とその内容について資料収集、ヒアリングをおこない実態を把握する。結果、看護職の生涯学習の全体像を把握するとともに、高等教育機関における看護師の生涯教育のあり方、看護師の確保に有効な教育のあり方について、方向性を見出す。

(イ)離職者調査・・・看護職としての未就職者(潜在看護師)は55万とも60万人とも言われている。再び医療現場に戻るに際しての障壁は医療の高度化や医療事故の不安などがあるといわれているが、潜在看護師を対象とした意識調査に取り組む。調査に際しては、介護人材の職域プロジェクトとも連携し共通質問等も設定し、医療・介護両方の意識等の把握にも取り組む。

(ウ)医療施設調査・・・医療機関、訪問看護事業所を対象も人材ニーズ、スキル認定制度、看護師のキャリア開発等の取り組み考えなどを確認する。

②キャリアパス開発・・・キャリアパス分科会担当

 平成23年度「福祉分野の中核的専門人材の調査とスキル標準の開発」事業を参考に、キャリア段位・キャリアパスの設計・スキル標準の開発に取り組む。


図1.社会環境の変化と看護の生涯教育の概要(本プロジェクトの仮説による)

③プログラム開発・・・プログラム開発部会

 ①で取り組む調査結果として得られる教育の実態、②で得られるキャリアパスを参考に、『訪問看護サービス』と『潜在看護師の再就職支援』について、カリキュラム標準、教育プログラム、達成度評価基準、学習ユニットのモデル作り等に取り組む。また合わせて、看護師の生活実態に合わせた学びやすい教育方法・技術について研究をおこなう。(前頁の図1を参照)

 プロジェクトの実証は、介護人材・看護人材育成コンソーシアム・実施委員会による評価を得ると同時に、教育体系ではワークショップを設け教育機関や研究者の討議を得る。また『訪問看護サービス』では訪問看護事業による評価、『潜在看護師の再就職支援』は関係団体による評価(共にヒアリング)をおこなう。

 

(3)事業の実施意義や必要性について

① 当該分野における人材需要等の状況、それを踏まえた事業の実施意義

 働く女性の20人に1人は看護師(准看護師を含む)・助産師・保健師等(以下、看護師等という)である。医療の労働市場では約145万人の看護師等が従事しているが、毎年12.5万人程度の離職者がおり、そのうち、医療に再就職するのは5.3万人(離職者の42.4%)である。一方、大学を含む看護師養成施設を卒業し医療の現場に就労するのは4.6万人程度であり、需給バランスが崩れているのがわかる。(図2参照)

 現在、問題とされているのは新卒従事者の三年以内での離職者の増加である。医療高度化やコンプライアンス対応が背景にある従事者へのストレスの増加などが原因と言われている。また、離職者は離職後3年以上経つと医療技術対応・医療事故等への不安から再就職をためらう傾向が高い。

 これまでも医療現場での研修や職場環境の改善、研修を通じた定着促進や再就職支援などさまざまな取り組みがなされているが、離職者の再就業支援教育においてはモデルとなる事例が存在しない。


図2.医療の労働市場における看護職の就業状況(概要)と主な施策

 また、厚生労働省がまとめた第7次看護職員需給見通しでは、看護師の供給は年々増加するものの、需要も増加するとしており、将来にわたり供給が追いつかない。(図3参照)


図3.看護職員の需給見通し

なかでも訪問看護ステーションの看護師の需要数は16%以上の増加が見込まれており、地域医療が成立するため訪問看護が安定して供給できる体制を整備することが急がれる。

また、地域包括ケアシステムでは介護分野との連携が不可欠となるが、先の看護師の需給予測における看護職員の需給見通しは、訪問看護、在宅サービスの在宅分野に留まらず、介護保険関係でも年々需要が増えることが予想されている。(図4参照)


図4.地域包括ケアシステムの担い手としての看護職員への需要見通し

② 上記(2)の取組が求められている状況、本事業により推進する必要性

▼取り組みが求められている状況

 専修学校における看護教育は主として新人の養成、現職者向けの専門性向上に重点が置かれてきた。一方では、前項に述べたように、少子化が進行するなかで、新人養成と離職防止だけでは人材不足に対応しきれないことは明らかである。

 今後は、離職者向けの職場復帰、専門領域の異動、地域包括ケア時代の担い手としてのコーディネート力やマネジメント力の向上、在宅看護・介護分野への人材シフトなど、看護の領域を包括的に概観し医療・看護に留まらず保健・介護など広域のキャリア開発が必要となってくる。また、そのようなキャリア教育に専修学校が取り組み、就業(あるいは離職)した社会人である看護師の生涯教育に取り組むことは、医療機関を含む社会からの評価を受けることになり、それがひいては専修学校の看護教育の質を高め、専門性を高めることにつながる。

 その実践の体系づくりには時間を要するものであるが、地域医療における連携が必須となる介護の職域プロジェクトの知見を得て、キャリアパスを構築し、教育プログラムを構築することでより実効性の高いプログラムづくりに短期間で取り組むことができる。

▼専修学校の教育システムの特徴を活かした体系作り

 離職者向けの職場復帰モデルは、年々高まる専門性や医療事故への不安等を払拭する必要があり、内容・学修時間の設定などその有効性を検証する一方で受講希望者の経済的・時間的負担への配慮して構築する必要がある。あるいは、訪問看護分野の教育プログラムでは従来の専門性(テクニカルスキル)に加え、経営・会計・組織論・労務・人事・コミュニケーションなどスピリチュアルスキルが必要となってくる。つまり多様な技術を身につける必要があるのである。

 専修学校では職業専門人材の育成に取り組んでおり、ビジネス系とそれを支援するIT系の専門教育にも長けている。これらの教育要素を取り入れて総合的な教育を組み立てる必要がある。さらには専修学校の単位制通信制システムにより、実習や実技の良さを活かした教育が可能である。

 本プロジェクトではこのような専修学校の教育事業の特徴を十分に活かした教育プログラムの体系作りに取り組み、専門教育を通じて社会システムの変革に貢献しようというものである。看護師養成施設は生涯学習機関として医療技術の発達と歩みをともにし、現役の医療従事者の求める教育ニーズに応え質を向上させている。

  • 本事業の取り組みは、イチ養成所で構築しては日本の地域医療の発展には寄与しない。関係機関との連携のもと、実証に耐え広く普及すべきものである。

 

(4)事業の実施計画について (連携体制、工程、普及方策、期待される活動指標(アウトプット)・成果目標及び成果実績(アウトカム)等)

▼連携体制

 本プロジェクトは介護人材・看護人材養成コンソーシアム下の職域プロジェクトとして活動を進める。
活動進抄や成果を定期的にコンソーシアムに報告し、その評価に基づき計画や活動内容を改善する。また、コンソーシアム下の他の職域プロジェクトとの円滑な連携を図っていく。プロジェクトの全体計画、運営管理、品質管理などは事業推進主体である実施委員会が担当する。

 調査の実施、キャリアパスの開発、教育開発は実施委員会の下部組織として分科会を編成し、それぞれが担当する。各分科会は定期的に中間性か及び進抄状況を実施委員会に報告し助言を得る形で進める。

 事務局は代表機関に設置し、分科会間の連絡調整、実施委員会の運営、3分科会の事務作業、本プロジェクトの普及、成果発表会等をおこなう。

▼工程

▼普及方策

①成果発表会(コンソーシアム)

 介護人材・看護人材養成コンソーシアムによる合同成果発表会にて、本事業の成果を発表する。
 首都圏の看護師養成所・医療機関・訪問看護事業所に対して開催を周知する。
 事業成果はすべてオープンにして、希望者に成果物を配布し利用を促進する。

②事業報告書の送付

 各都道府県の看護協会、看護師養成所への事業報告書の送付

③専門WEBサイトの開設

 麻生宿が平成22年度
 事業開始以降速やかに専用ホームページを開設し、活動状況を適宜報告していく。

④成果発表(職域プロジェクト単独)

 大阪、福岡にて職域プロジェクトの成果を報告。参加者の事業評価を取得する。

▼アウトプット

主として事業報告書として取りまとめ、以下のアウトプットが得られる。

 ①看護のキャリア教育、職場復帰、訪問看護に関する意識調査結果
 ②教育プログラム体系図:現存する看護師のキャリア教育の種類を集積、学習ユニットとして提示
 ③スキルマップ、スキル評価基準
 ④教育課程としての短期教育プログラム・モジュールの提示

▼成果目標及び成果実績(アウトカム)
  • 教育プログラムへの評価:導入をしたい。導入を検討したい。との回答を得ること。
  • 訪問介護事業者の従事者の評価が定着
  • 専修学校における看護教育として本事業で構築したプログラムが、単位制により提供され、昼間過程の選択科目(単位)として認定される、或いは、通信過程として就業看護職や離職者が受講する講座として提供される。
  • 意識調査は教育プログラム実践の判断材料となり、募集上の参考資料となる。

 

(5)事業終了後の方針について(継続性、発展性 等)

▼具体的な教育コンテンツの開発(継続)

 本事業として取り組んだ後は、具体的な教育コンテンツの開発とコンテンツ評価を得る実証を経て、専修学校で実際に提供するテキスト、eラーニングコンテンツの構築につなげていきたい。

▼通信制や短期プログラムとしての活用

 本プロジェクトで開発する教育プログラムは、在宅での学習と実習・実技を組み合わせるものとなり、通信制で提供するのが適切である。
 あるいは看護協会や自治体と提携し、短期プログラムとして提供に耐えうるものである。主幹校のほか複数の専修学校や大学と連携して、実践教育を通じて発展させたい。

▼専門教育の領域開発と生涯教育プログラムの開発

 本事業では、訪問看護事業者の育成と医療機関に再就職する看護師のスキルアッププログラムにフォーカスしているが、キャリアパスの領域を広げ、医療コーディネーター、認知症ケア人材など看護師の高度化・専門化、或いは地域のネットワークの担い手として育成するプログラム等の開発に取り組み、看護師養成所の生涯教育機関としての発展に寄与していきたい。

成果物